【速報】藤崎総悟氏、「マリンスノウ」で恋愛小説大賞受賞!

【速報】藤崎総悟氏、「マリンスノウ」で恋愛小説大賞受賞!

日本小説家協会は今年の恋愛小説大賞が現在ベストセラーとなっている「マリンスノウ」藤崎総悟(文藝社)に贈られることを発表した。

受賞した藤崎総悟さん(29)は若くして彗星のように文壇デビューして以降、次々と人気作を発表、最後まで読者を飽きさせないストーリーと華麗かつ繊細な文体で、恋愛小説の書き手としてべストセラー作家の地位を築き上げつつある。
「マリンスノウ」はそんな藤崎さんの渾身の一作として、幅広い女性層からの支持を得ており、選考委員会は満場一致で本作を選んだとのこと。

今回の候補作品の中では藤崎氏の「マリンスノウ」が傑出しており、氏の優雅で繊細な筆致は本作品で頂点を迎えたといえる。
お互いに深く結ばれながらも、暗闇の中でもがき、傷つき、儚く消えゆく…まさしくマリンスノウのような2人の愛の物語は、日本の小説史上屈指の恋愛小説のひとつとして語り継がれるだろう。

恋愛小説大賞 選考委員会選評より

(あらすじ)

ー ー 僕はそれが雪じゃないことを知っていた。

 彼女の魂はまるで深海のようだと思った。水面の光も喧騒も彼女の魂までは届かない。代謝は限りなく穏やかで、僕に向けられる眼差しはいつでも仄暗い虚無感を湛えていた。
 僕は彼女の表情、そして魂を観察する。そうしてあることに気づいた。どうやら彼女は全く怒りを感じていないわけではない。負の意識はゆっくりと、しかし確実にその内側へ降り積もっていっている。
空から雪が舞うような、という比喩を思い浮かべてみたが少し違う。

「海中に降る雪——マリンスノウってところかな」

暗闇だからこそ見えるものがあった。
脆くて儚い、愛の物語。