風街学園祭〜ヒソヒソ相談中の7人

ここはBack to School PART2世界で2023年の10月を迎えたある昼休み
弁当を食べ終えた後、このクラスの、いや実はこの学園を代表する個性豊かな7人の男子生徒が集まって何やらヒソヒソと相談中

生徒会長兼クラス委員長の手嶋が口火を切る
「今月21日、22日の学園祭だけど、出し物を決めなきゃな。みんなの意見は?」

「そうだなぁ… 高校生活最後の学園祭だから張り切りたいけど、この7人もそれぞれに何かと忙しいしなぁ。俺はサッカーの秋季リーグ戦の最中でもあるし、でも何とか両立させて一緒に学園祭盛り上げるよ。」

「真海くんはたしかに大変ですね。その点僕は放課後は図書室に入りびたりなんで、できることは何でもお手伝いできますよ」

「藤崎の信頼感は抜群だから、スケジュールとかお金とか、いろいろ任せて安心だな♪ 俺も学園祭のフィナーレを飾るコンサートの準備でバタバタしてるけど、みんなと一緒にやるぜ!」

 2つ目の弁当を平らげながら桐生がすかさず
「さっきからみんな頑張るとか、やるとか言ってるけど、手嶋が聞いてるのは何やるかってことだけど(笑)」

「双葉、お前そういうけど何かアイデアでもあるのか? 俺は一つ、アイデアがあるけどな♪」
「一輝にアイデアがあるなら聞いてみたいな。まさか医学標本展示とか解剖教室とか言い出すなよ。」 
「それくらい俺にもわかってるよ!」

桐生と本城の掛け合いを聞いていた佐倉がぶっきらぼうにつぶやく
「で、本城のアイデアって何だ?」
「ん?! 話してもいいけど、みんな笑うなよ。」
手嶋が先を促す
「で、本城、お前のアイデアって?」

少し小声になって
「模擬店だよ…」
他の6人がキョトンとする…桐生が再び白米を頬張りながら
「おい一輝、当たり前すぎるだろ(笑)」
瀬名が本城を見ながら
「いや、一輝のことだ、きっと続きがあるぜ…」

「当たり前だよ、ただし品行方正な手嶋、真面目が服を着て歩いてる藤崎、調理担当の佐倉、この3人の賛成が必要だけどな。」
(6人がうなずきながら本城に注目する中、いっそう声を潜めて)
「あのな…模擬店は模擬店でもコプスレ喫茶…」
(一同、本城の言ってることが解せないのか無表情…)
「だから、男子は執事、女子はメイド…2日間を男女が一日ずつ交代交代でやるのさ!」

「おい本城、お前メイド喫茶って、自分の性癖爆発かっ(笑)」
「違うよ真海!まぁ嫌いじゃないけど… でも面白そうだろ?俺たちが執事になるんだぜ。」
「あっ、あの…それって僕もやるんですか?」
「藤崎、当たり前だろ。この7人の中でも一番丁寧なお前にはきっと似合うよ、かしこまりましたってな。」
「えっ、そうですかねぇ… 皆さんがそう仰るならやってみたいかも。実は執事が活躍するミステリー小説『謎解きは放課後に』を構想中なんです。」

手嶋が佐倉の方を向いて
「佐倉、お前はどうなんだ。模擬店でなにか簡単なものを出すと言っても俺たちにはお手上げだ。みんなお前頼みになるがいいのか?!」
いつも通り手短に
「ああ構わないよ、俺も執事コスプレやってみたいからな」
その発言を聞いた瀬名が吹き出す
「ぷっ、なんだ涼も一輝と同じ性癖かっ(笑)。こりゃあコスプレ喫茶で決まりそうだな」

手嶋は冷静に
「他の男子も賛成してくれるだろうけど、問題は女子だな… メイドって誰が言い出すんだ?!」
(他の6人全員が声を合わせて)
「そりゃあクラス委員長のお前だろ、手嶋(笑)!」